川越画廊 ブログ

2009年12月12日






今年もあとわずかとなってきました。
恒例の年末の展示は最終営業日の27日まで開催します。

今回の展示作品から一部を紹介します。





c0122967_12182589.jpg


赤祖父ユリ アメリカ白頭鷲 木版画 45×52cm ed.50


赤祖父ユリは芸大の油彩科を卒業したが、なかなか自分の表現方法が見いだせずに悩んでいたところ、
岡本信治郎氏の助言で木版画を始め、ようやく自分にぴったりと合った表現手段を見出したそうである。
モチーフはもっぱら、動物写真家岩合光昭氏の作品にインスパイアーされている。

最近は激しく強烈な表現が好まれる傾向にあるが、
版画は、クッションを入れた謙虚で控えめな表現が一つの特徴でもある。

だから版画は単に複数芸術というのでなく、版画でしか表現できないこともあるのだ。
ある種婉曲的とでもいえる表現は、日本人の感性に合っているというのが以前から言われていることだ。












c0122967_1240111.jpg

ほこのきしんきち 川越の祭り(志多町の山車) アクリル・キャンバス 8号


ほこのきさんは埼玉の生まれで、奈良の美大を出てフランスで数年間くらした。
その後長野の伊奈に住んで、現在は立科に住んでいる。

フランスでは地方の美術館で企画展が開催されたり、長野のハーモ美術館で企画個展が開催されたりした。
奈良の大仏せんべいの包装紙は彼の絵だそうである。
これが私の知る彼の経歴である。

10年以上前、川越がまだこれほど観光化していないころに、
川越風景を依頼して展覧会をひらいた。
その時の一点がこの作品。

当時シリアスな抽象作家の個展の後に、彼の展覧会をしたら
特異な目で見られたが、今の時代にはぴったりしているように見える。











c0122967_12585945.jpg

安本秀を 碓井バイパス 木版画  36×56cm


安本さんは千代紙の谷中伊勢辰で、木版の彫職人として修業した人で、
腕は確かな人だ。
埼玉の風景をこよなく愛し、秋が瀬公園、奥武蔵の山々などをよくモチーフにしている。
以前いい風景を見つけたといって、愛車の軽自動車で案内してくれたことがあった。

私にはただの田んぼにしか見えないのだが、画家の目にはパラダイスに見えるらしい。
そんな話はしたことはないが、「寅さん」に共感を持っているように見えるので、
なにか親しみやすい人だ。

今は高速を通るので、あまり行かない碓井バイパスの風景。
by kg142 | 2009-12-12 12:57 | アート