川越画廊 ブログ

2011年6月11日




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靉嘔 点の配列 1958年 油彩・キャンバス 4号






少し前のニュースで、アルツハイマーなどの老人に対して何か失敗したときに怒ると、痴呆の症状が悪化してしまうと言っていた。怒るのは言葉でなく、怒った表情がいけないのだそうである。
患者はいろいろな能力が衰えても、表情を表したり他人の表情を理解したりする能力は最後まで衰えないのだそうである。怒られたと表情を理解すると、自分を否定されたと思うらしい。

赤ん坊は母親の顔をじっーと見ている。顔を覚えたり表情を理解したりしようとしているのだろう。幼稚園ぐらいの子供が母親の絵を描くと、顔に手足が生えたような絵を描く。子供は顔にしか関心がないのである。
一説によるとヒトの脳の大半が、パターン認識のために使われているという。だから年をとっても最後までその能力が残るということなのだろう。
言葉ではないこのエリアに、美術の存在意義もあるのだろう。

さて靉嘔のこの絵ですが、雲の形は覚えにくくとも、手前の点は何行あるとか何色あるとか具体的な言葉に置き換えて記憶すことができる。
つまりパターン認識の問題を提起しているともいえるわけです。

しきりに意味不明と言われる方があるので、一つの見方を考えてみました。一例です。
by kg142 | 2011-06-11 19:19 | アート