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川越画廊 ブログ

1月11日


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菅井汲 オートルートのフェスティバル 1964 油彩 41×32.5cm


日々経費節減に努めていても、この時期(決算)は内容の悪さに落ち込みますので、今年は営業努力をしようと思うこの頃であります。
この菅井は衝動買いというのではないにしても、あまり価格等を吟味せず購入した作品です。が、
今年は四半世紀ぶりの2-3年は続くという好景気になるということでもあり、そういう時はいい作品は買いであるということですので、良かったかと思います。

①この作品は以前に見たことがある。(記憶に残る作品である)
②菅井先生とは多少のお付き合いがあったが、これほどのレベルの作品を分けていただいたことはない。
③1964年は作者が最も充実していた時期と言える。

菅井汲は1952年に渡仏して、カリグラフィックで骨太で性的なイメージも感じさせるような作品で成功を収める。ドイツや北欧の美術館などでも個展が開かれ、映画「悲しみよ今日は」の中に菅井汲展のパーティの様子が映ったそうである。パリ市内に一軒家を購入し、ポルシェも購入。
62年頃から作風が変わる。緑と太陽とオートルートの時代だ。
67年には日本のテレビ局の取材を受け、その帰りにアウトバーンで事故を起こす。そのとき亡くなっていたらパリに客死した天才として、佐伯祐三以上の評価を得ていたかもしれない。
奇跡的に生き残った幸運で、今現在でもこのような作品を入手することができる。
事故の翌年に渡仏後初めて帰国し、竹橋の近代美術館で個展が開かれ壁画「フェスティバルドトーキョウ」が常設された。
つまりこの時代の作品が最初に日本に紹介された。よって、各地の美術館にはこの時期の作品が多く収蔵されている。
この後、シグナルの時代、晩年のSの時代となって、全体で4期に分けることができます。

色彩的には、赤は太陽、緑は森、ブルーは海、水色は空 を象徴しているようです。
この作品では、旭日旗(のような)の光線の部分がブルーになっていて、珍しいかと思います。

資料にあたっていないので、年代等正確でない場合は後日修正するかもしれません。
by kg142 | 2014-01-11 19:54 | アート