川越画廊 ブログ

カテゴリ:アート( 685 )

イベント

月曜日、作品の展示作業に個人宅へ伺い、仕事ついでに「所沢ビエンナーレ」を見た。
駅のすぐ前でアクセスがよく大空間で、ここに恒常的に美術館があったらよいだろうなと思える場所だ。
木や金属を素材としたもの派的な作品は、空間になじみすぎて迫力に欠けて見えた。天井の鉄の梁などの存在感が強烈なためだろう。
写真はドコデモドアのように、違う空間への入り口のようなセッティングで成功している。
個人的には、木村幸恵の幽霊の展示が最も良かった。

今度の土曜日から開かれる「横浜トリエンナーレ2008」と比べると、財力、地域性など困難も多いのではないかと思われますが、こういうイベントが地元埼玉で開かれるということは画期的なので、今後の展開に期待したいと思います。






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瑛九  あかつき  油彩・キャンバス  1959年 53×45.5cm (10号) 
瑛九画集 山田光春編 図版掲載
この作品は、今まで各美術館で開催された瑛九展に貸し出されたことがなく、今回初公開といえるものです。



この作品を毎日眺めている。

近くで見てまず気付くのが絵具がうす塗りであることと、絵具と絵具の間にごくわずか塗り残しがあって、キャンバス地が見えていることである。

しかし離れてみると(およそ2m以上)、点が塊りになってうずまく色彩の乱舞だ。離れるほどに色彩が鮮やかになってゆく。

一般的に油彩は、地塗りをして何層も絵の具を重ねマチエールといわれる肌合いを重視している。たとえモノトーンのフラットな画面であっても、作者はマチエールへの関心がある。

瑛九の油彩が変化するのは1957年ごろからだ。
それは単に点描になってゆくということだけではなく、マチエールから作られる光と思っていたものが、光そのものに関心が移っていったのではないか、と思える節がある。

画面は光を混ぜ合わせるパレット、あるいは無色の光を振り分けるプリズムとでもいうように、反射した光が前面の空中で混ざり合い、輝きを増して目に飛び込んでくる。

そう見えるために地色の白が重要なのだろう。

フォトデッサンは光を扱っている。光で作り、光で見る。
印画紙に光を当てると真っ黒になってしまう。イメージを重ねるためには、過程においていかに白地を残してゆくかということが重要に思える。

長年のフォトデッサンの制作で光を扱う上での何か重要なことに気づいた瑛九は、光を扱うためにもはや形は不要で、必然的に点描になっていったといえないだろうか。
瑛九は光を描いているのだ。












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by kg142 | 2008-09-10 17:03 | アート

作品を順次紹介します

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瑛九 色がみ  油彩・キャンバス  1944 10号P

この作品は、「瑛九 作品と評伝」山田光春、「瑛九作品集」久保貞次郎編 などに図版が掲載されている。
サインは無く、キャンバス裏面全体に、別のキャバス地を蝋で貼り付けている。
修復家に聞いたところ、画面の絵の具層にはほとんど修復の形跡が見られない。
通常、キャンバス地の劣化や絵の具の剥離などが激しい場合にこのような処置をするが、この作品に関しては何故このような強力な補強をしたかは、不明とのことでした。

先の「瑛九 作品と評伝」山田光春 によれば、抽象作品の制作を再開したこの時期の作品は、戦禍などによりこの「色がみ」ほか数点を残すのみであって、極めて貴重な作品である。

久保貞次郎の瑛九頒布会シールのほか、美術倶楽部の鑑定証を先般取得した。







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by kg142 | 2008-09-09 17:38 | アート

瑛九のエッチング

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瑛九 鳥 エッチング 1951年 摺り部数5部 
鉛筆サイン入り 自摺り

右奥にアトリエ、手前にコーヒー、パンとくだもの。
朝を告げるニワトリを中心に据えて、朝食の様子を描いたものか。
すると奥は作者自身、右に描かれているのは都夫人ということになる。

いろいろなシーンをモンタージュして、小さな画面に多くのイメージを描きこんでいる。
画面が一つのショートストーリーになっているのが、瑛九のエッチングの特徴である。

およそ400種類のエッチングを制作したが、自摺り、サイン入りのものは希少で、なかなか入手できない。
しかし、1983年に原版を元に林グラフィックで刷られた後刷り作品は、各60部数あって、比較的入手しやすい。
後刷りであっても、詩情あふれる画面は充分楽しめるので、機会あるごとに後刷りを収集している。
今回、それらの後刷り作品も一部展示いたします。

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by kg142 | 2008-09-06 18:22 | アート

休廊日

現在、展覧会等で特に定める以外は、毎週 日曜、月曜 を休廊させていただいています。(しばらく継続)
「夏の展示」の会期を日曜までと誤って掲示してしまい、大変失礼いたしました。


今度の「瑛九展」 9月9日~28日 は
休廊日:15日(月)、16日(火)、22日(月)、23日(火)
となっています。


瑛九展の会期中は、日曜日を開廊して、月、火をお休みします。
またまた変則的ですが、どうぞよろしくお願いします。




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瑛九 ガラス絵 (部分)








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by kg142 | 2008-09-02 19:03 | アート

晴れ間

今日は久々に晴れたので「あるってアート」のほかの会場を見て回る。
インフォメーション不足か、見て回っている人は少ないようだ。

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田中毅の石彫のある路地。

今日は「夏の展示」の二日目。一日一点の売約があり、まずは良かった。

9月9日~28日 
瑛九展を開催します。
油彩4点他ガラス絵、フォトデッサン、エッチング、リトグラフを展示いたします。







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by kg142 | 2008-08-27 19:28 | アート

講演会

今日美術館で市川政憲(茨城県近代美術館館長)×長沢秀之の対談がありました。

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お話は哲学的な内容でにわかには理解できませんでしたが、長沢絵画の深淵をのぞいた気はしました。

長沢先生は「そこにあるものが見えない」と何度か繰り返しましたが、よく画家の言う「ものがよく見えてこない、だからうまく描けない」というのとは違うようです。
以前「メガミル」という展覧会をされていますが、「目が見る」というのは恣意を超えて、ものの本質を見る(見たい)ということなのでしょうか。
自分との関係を断ち切ってもそこに存在する意味(わけ)を知りたい。・・意味が分からないから見えない、ということなのでしょうか。
こんど直接お聞きしてみたいものです。




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by kg142 | 2008-08-23 20:00 | アート

夏の展示

8月26日~30日  「夏の展示」
を開催いたします。

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展示の様子
モノトーンを主とした落ち着いた展示となっております。




川越市立美術館の「長沢秀之展」が
朝日新聞(8月13日 夕刊)で紹介されました。
読売新聞(8月23日 夕刊)で紹介されます。




今日から川越市内25か所で「あるってアート2008」というイベントが開催されます。
8月21日~31日  http://liveart08.org/ 


画廊の近くの3か所を見てきました。


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鶴川座でのインスタレーション(ドロティア・フレイス ドイツ)



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織物市場入り口



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市場中央



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織物市場の一つの区画



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笠間家住宅の写真と立体の展示 
向かいは商工会議所


今回川越画廊は参加していませんが、普段は公開していない建物の中を見られるので、この機会に回ってみてはいかがでしょうか。




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by kg142 | 2008-08-21 18:03 | アート

R夫人像

暑さ続きでもう夏休みモード。
夏休みは高校野球とオリンピックで退屈しそうもありません。

駒井哲郎 R夫人像 銅版画
佐谷画廊に長くお勤めだったOさんがこの作品を所蔵されていて、自分もいつかこういう名品を手に入れたいと思っていましたが、今回ようやくかないました。

1950年に最初の版が製作されましたが、背景のレース模様の技法が分からず、1970年になって長谷川潔の示唆を得て、ようやく完成した作品です。
ソフトグランドエッチングという技法が日本にもたらされた、記念碑的作品でもあるわけです。

今回の「夏の展示」にて展観いたします。
8月26日~30日

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by kg142 | 2008-08-06 15:41 | アート

流通革命


先日Kギャラリーのオーナーが、NHKに出ていました。
出るたびに画家と作家の関係、特に画料のことなどを話される気がします。

また私特有の、一を聞いて十を知るではありませんが、少々の推察。

現代美術というのは、あらゆるジャンル現在制作されているものを言う、ということも出来ますが、よく一般に使われているのはその取り扱われ方、システムにあるようです。

①画商といわずギャラリストと言う。(旧来の画商と言うのとは違うといっているわけです)

②ギャラリストは、展覧会を企画、開催して、顧客に作品を直接販売する。(旧来の画商のように最大の顧客は画商だ、というような卸売りをしない(基本的には)。)

③直販であるから、旧来の日本画、洋画の画商に比べて、画料を高く設定で来る。(ここを強調しているようです)

④従って、画家にとって有利でフェアーな条件を提示している。(だから、有望な作家は資料を持ってきてください)

このようなシステムでやってきた画商は、当画廊を含めてずっと以前からたくさんあったわけです。しかし、旧来のシステムとどこが違っていたかと言う自覚がなかったわけです。

ずっと以前ですがもう亡くなった版画家に、「画商とはどういう風に付き合えばいいんだね?」と聞かれたことがありました。
当時、こんな高齢な画家にそういうことを聞かれることに戸惑った記憶があります。

私自身も、まだ学生の作家に展覧会を依頼するのにどういう条件を提示すべきか分らず、全部買い取って展覧会を開催したことがありました。

つまり、旧来のシステムの中で修行した画商(ギャラリスト)でないと、現代美術というジャンルの優位性に(フェアーであるという)気がつかなかったのでしょう。

村上、千住、松井、町田・・とか日本画出身の作家が、現代美術というジャンルで羽ばたいたというのは、象徴的なことではないでしょうか。


こういうことは、既に誰かが指摘しているであろうことで、問題ないと思いますが、貧乏画商の勝手な推察とお許しの程。

ではどのように販売してゆくのかについての考察は後日。






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by kg142 | 2008-08-05 19:36 | アート

アーティストトーク

今日の長沢秀之アーティストトークには、定員20名のところ50名もの参加があり、盛況だったそうです。

市民ギャラリーでは、今年も金沢健一「音のかけら」開催中です。(~8/17)
パフォーマンス8/16、8/17 金沢健一、久保田晃弘、一之瀬響、小野寺唯


【今後の予定】
8月10日~18日  夏季休廊

8月26日~28日  夏の展示   

9月9日~28日   瑛九展 油彩4点 ガラス絵 フォトデッサン 他


長沢秀之展は明日(8月3日)最終日ですが、夏の展示までは、このまま展示しています。
(ただし不定休)





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by kg142 | 2008-08-02 19:05 | アート