川越画廊 ブログ

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2011年9月30日




ようやく瑛九展を見に行きました。

宮崎では点数が多いので窮屈な展示でしたが、埼玉では二館に分けて展示されているので、
テーマごとの区切りも分かりやすく、とても見やすく良い展示になっていました。

最初写真が小さいので、見にくいカタログと思っていましたが、展示のガイドブックとしてみると、番号ですぐに照合でき、とても良いものに見えてきました。

最初にカタログを購入して、それと照らして会場を見て回るのが良いのではないでしょうか。
瑛九の多様性を見せているわけです。(私は今頃分かりました。鈍感なのです。)

これほどの展示が今後いつ開かれるか解らないので、ぜひ見に行かれることをお勧めします。
点描の部屋にはイスが置いてあり、じっくりと眺めることもできます。
私ももう一度見に行きます。



■生誕100年記念瑛九展 2011年9月10日~11月6日
うらわ美術館  http://www.uam.urawa.saitama.jp/tenran_doc.htm
埼玉県立近代美術館  http://www.momas.jp/003kikaku/k2011/k2011.09/k2011.09.htm



カメラを持っていかなかったので、駒井哲郎の画像です。

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駒井哲郎 食卓Ⅰ アクアチント 1959


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瑛九 骨と裸婦 ペンデッサン 1957 18×14cm 裏面に鉛筆画
by kg142 | 2011-09-30 19:13 | アート

2011年9月28日

「瑛九と仲間たち展」 終了しました。一部作品は常設展示にて引き続きご覧いただけます。

作品画像を少しづつ掲載してまいりましたが、10月は4人の作品による「夢と記憶展」を開催いたします。

11月は、震災によってのびのびになっていました「大沢昌助展」を開催いたします。
大沢展は、生前没後連続して20数年間欠かさず開催しております。
今年は「逸楽と秩序20点シリーズ」を展示いたします。これは「ユリシーズ20点シリーズ」と対をなす作品です。




 
4人展 夢と記憶
駒井哲郎(1920-1976)・久保卓治(1948-)・石原宏策(1914-1998)・深沢史朗(1907-1978)
2011年10月18日~29日  23(日)・24(月)休




画廊コレクションをテーマに合わせて構成した展示で、今度の震災の記憶という意味の記憶ではありません。

誰もが、夢なのか現実なのか区別のつかない記憶を、一つや二つは持っていると思います。

駒井哲郎の言葉です。
「夢と現実。私にはそのどちらが本当の実在なのかいまだに解らない。しかし私が絵を描き始めたとき、私が何故に描き始めたのかと云うことを自問自答してみると、それは結局、夢こそ現実であればよいと云う願望から出発しているように思われる。」(美術ジャーナル1962)







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駒井哲郎 夢の推移 1950年 メゾチント ed.20 125×155mm

世界最高の銅版画家。
1949-1951 の間に制作された初期代表作「夢の連作」10点のうち
本作品は最も重要な作品である。(ちなみに同時期の束の間の幻影、海底の祭り は夢シリーズとは言わない)


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久保卓治 Day Dreamer エングレイヴィング 1988 230×328mm 下は拡大図

久保は多摩美時代の駒井の教え子。
本作がビュランによる直刻作品であることに驚く。



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石原宏作 橋  コンテ 385×545mm

長命な画家であったが、本作のような初期戦前の作品に秀作が多い。
描いたときからすでに記憶となったような作品。記憶しようとして描くと、夢のような絵になってしまうということはないだろうか。


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深沢史朗 Paper Monument of Patient Card-C シルクスクリーン 1975 ed.36 560×560mm

鶴岡政男と同年でやはり谷中に住んだ。
還暦になってまさに生まれ変わって、シルクスクリーンを始め作風も一変、外国コンペに入選する。
記憶の断片を集積構成したようにも見える作品。前世(還暦前)は辛抱であったのか。
最も年長ながら最も新しい。







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by kg142 | 2011-09-28 15:09 | アート

2011年9月22日




うまく撮れませんでしたが、ユーチューブへ会場の風景をアップしました。


瑛九と仲間達展 9月17日-25日






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靉嘔 Study for Fluxus 33
油彩・キャンバス 1963  106×63.5cm
 
もっとも初期の虹の作品。マスキングせずにフリーハンドで描かれている。
by kg142 | 2011-09-22 19:10 | アート

2011年9月21日

今日は台風、近所で営業しているのは当画廊と島野コーヒーだけです。



また続き
スキャナーでオノサトをカタログからスキャン


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オノサトトシノブ 朱と黄の丸 油彩 1939-40 31.8×41cm

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瑛九 小さな我家 油彩 1944 72×91cm


円と長方形にのみ注目すると、この2点は共通点が多い。

オノサトのこの作品は、現在東京国立近代美術館の所蔵となっているが、元は藤岡コレクションだった。
元々は 瑛九が所蔵していたのではないかというのが、この推察の結論である。













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by kg142 | 2011-09-21 18:54 | アート

2011年9月18日



昨日の続き

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瑛九 小さな我家 油彩 1944年 30号


素直にこの絵を見ると
右に黄色い帽子の女の子、その下には青い顔をした横向きの男の子
中央青紫の円は髯のお父さんか? あるいは窓から身を乗り出して下を見ているようにも見える。

左辺に家の壁と斜めの屋根。
灯火管制下の黄色い光の円、丸いちゃぶ台に集う子供たち。
「小さな我家」と近所の家々のドア。

一見1944年という時代を映した暗い色調の絵 と見ることもできるが
家族のだんらんの夜をを映した絵 と見ると

とたんに メルヘンに満ちた物語の場面となる

まさに 瑛九の絵画の一面なのである。

構図をオノサトの絵画から引用したと仮定しても、瑛九独自の絵画になっているのです。
by kg142 | 2011-09-18 19:00 | アート

2011年9月16日




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瑛九 小さな我家 油彩 1944 72×91cm(F30号)

今回若干の修復を施し、「小さな我家」は別の作品を塗りつぶして描かれた作品であることが分かった。
晩年の点描を除けば、30号は比較的大きな作品である。

今回の生誕100年瑛九展には、瑛九が影響を受けた画家として オノサトトシノブ、長谷川三郎、三岸好太郎、パウル・クレー、古賀春江 の作品が展示されている。

「小さな我家」は、古賀春江を感じさせる色調である。

オノサトの作品は「朱と黄の丸」 1939-40 31.8×41cm  が出品されている。
「朱と黄の丸」は 1940年の第4回自由美術展に出品された作品で、瑛九はこの第4回展を見たと記録にある。

画像がないので比較できないが、長方形のドアのような形態、大小の球が浮遊しているイメージが、「朱と黄の丸」「小さな我家」の二点に共通しているようにも見える。

オノサトトシノブ「朱と黄の丸」が、瑛九生誕100年展に出品されている偶然を どう解釈すればよいのだろうか。

瑛九とオノサトは、1936(昭和11)に長谷川三郎を介して知り合う。(瑛九25才、オノサト24才)
1938年8月に瑛九が桐生を訪ね、ひと月滞在。 同12月には真岡の児童画審査会に共に参加している。
翌1939年にはオノサトが宮崎を訪問している。

当方所蔵の色紙に
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徳利の図  水彩 1938年 27×24cm サイン
「小野里利信ノ為ニ徳利ノ図ヲ描キ彼ニ酒ヲススム」昭和十三年六月於北沢 瑛九
と書かれている。左上には明治神宮参拝記念13.6.23の印あり。
昭和13年の6月にオノサトと瑛九は明治神宮を参拝して、北沢の宿で酒を飲んだ。ということのようだ。

つまりこのころ二人は頻繁に交流していたことが分かる。

そして1940年に第4回自由美術展を見るわけだが、アトリエを訪ねたときにその制作の様子も目ているかもしれない。

「小さな我家」は、瑛九が本格的にアブストラクトへ移行する記念碑的な作品と言えるかもしれない。












 



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by kg142 | 2011-09-16 19:44 | アート

2011年9月13日



日曜日都内に出たら、暑さのためかカーナビの電源が入らない、まごまごしていたら車線変更違反で止められた。何年も違反はなかったので少々めげる。
月曜日伊佐沼工房の4人展のパーティは酒を飲むやもしれず、自転車で出かける。10キロくらいはあるか。
会場は雑木林に面していて、川越ではあまりない緑あふれる雰囲気でなかなか良い。
小さなサイズの彫刻がお手頃価格でたくさん展示されているので、自転車で出かけてみてはいかがだろうか。
ここの工房の活動がきっかけなのか、川越トリエンナーレは次回から彫刻部門が設けられるそうです。

帰路は月明かりの下、田圃道を走り中間地点の初雁温泉によって帰る。ちょっとした温泉旅行でした。






「瑛九と仲間達展」の展示がだいぶ進みました。
作家別でなく大きさをそろえた展示としてみました。


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靉嘔 星Ⅰ(黒い作品) 以前ブログに乗せた 星Ⅱ とは違う作品です。
今回修復が完了しました。


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瑛九 コラージュ 水彩 版画



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靉嘔のレインボーの作品も今回修復。1963年作と判明。




「瑛九と仲間たち」展  
2011年9月17日(土)~25日(日)  20(火)休み
瑛九・靉嘔・池田満寿夫・オノサトトシノブ・磯辺行久・加藤正 +北川民次

by kg142 | 2011-09-13 19:22 | アート

2011年9月8日



作品のご紹介です


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深沢史朗 Paper Monument of Patient Card-C
シルクスクリーン 1975 ed.36 560×560mm






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駒井哲郎  食卓Ⅰ
1959 メゾチント ed.30 235×186mm 



「瑛九と仲間たち」展  
2011年9月17日(土)~25日(日)  20(火)休み
瑛九・靉嘔・池田満寿夫・オノサトトシノブ・磯辺行久・加藤正 +北川民次







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by kg142 | 2011-09-08 19:48 | アート

2011年9月4日


昨日3日 鎌倉画廊の関根伸夫展オープニングに行くのに
鎌倉を歩いた。

鎌倉駅から長谷観音まで歩き

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長谷観音から鎌倉の海の眺め 
何度見ても観音さまは大きく立派なお姿です。



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次いで大仏を何年振りかに見る



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大仏を北に進み、常盤口というところを左に折れて急坂を登る。
笛田公園を回りこんで細い道を行く。少々わかりにくい。
いちご園の左の細道を登る。暗い竹やぶのヘリを行くと、老人ホームの建物、
登りきると広い道に出て、すぐ左に鎌倉画廊があった。



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石を切る 自然石・ステンレス 1971-2011

1971年に構想を得て版画制作するが、実現しなかった作品を今回制作された。
今秋上海で個展、来春はLAで「もの派」展が開催されるそうです。

15人ほどの2次会に参加させていただいた。
酒が入るとついついおしゃべりになってしまう。
自宅に着いたのは11時半でした。
by kg142 | 2011-09-04 22:01 | アート

2011年9月1日




今日から9月となりました。
夏のセールの作品のかたずけ、売約作品の発送も進んで、二つの壁をきれいに展示しました。



靉嘔の作品を展示した壁面。
何故か靉嘔の作品が増えてゆきます。一般に虹の版画以外目にする機会が少ないので、靉嘔の多様性への認識は進んでいないかもしれません。


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左から2番目の水彩画「ぱんぱんぱん 1977年」 以外
「ハート 1968」は今回、 3番目の「油彩 1958」は前回、 右の「手 油彩 1955頃」は前々回のセールで売れなかった作品です。
(いずれもセール後価格改定)
 
ごちゃごちゃとお安く展示していると、その作品の重要性に気が付きにくいかもしれません。



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ハート 1968年 51×51cm  ed.30  

この作品は
①1968年 虹の初期の作品であること
②マルセルデュシャンの影響による作品であること(カタログレゾネに本人が書いている)
③ed.30と、後年のシルク作品に比べて限定数が少ない上に、30部のうちのごく一部のみがハート型のアクリルにセットされたこと(このような仕様のものがめずらしい)

などにより、貴重な作品である。
セール中はこのようなことに来場者の意識が及ばず、当方の説明不足もあり、極めて安価に展示したにもかかわらず売約とならなかった。




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中央は 駒井哲郎 夢の推移 、右は 難波田史男 水彩



次回企画展

瑛九と仲間たち」展
9月17日(土)~25日(日)   20(火)休
瑛九・アイオー・池田満寿夫・オノサトトシノブ・磯辺行久・加藤正 + 北川民次




生誕100年記念瑛九展 2011年9月10日~11月6日
うらわ美術館  http://www.uam.urawa.saitama.jp/tenran_doc.htm
埼玉県立近代美術館  http://www.momas.jp/003kikaku/k2011/k2011.09/k2011.09.htm








川越画廊のホームページ
by kg142 | 2011-09-01 18:38 | アート