川越画廊 ブログ

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2月18日


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川上澄生(1895-1972) ローマ字初夏の風 
木版画 21.5×15.5cm 1933年 版芸術第14号所収

以下の詩がローマ字で彫られています。少々見えにくいですが。

かぜとなりたや はつなつの かぜとなりたや 
かのひとの まえにはだかり かのひとの うしろよりふく 
はつなつの はつなつの かぜとなりたや 

1926年国画会に出品された最初の作品は、23×35cmと倍の大きさがあります。
棟方志功がこの作品を国画会で見て版画家を志したということで、棟方の初期の作品は川上作品とよく似ています。やがて棟方は仏教思想やねぶた絵の技法などを加味して世界の棟方になります。
画面に文字を彫りこむことと究極のフェミニズムとでもいうものがが棟方に継承されますが、棟方はそれを女人礼賛、女体礼賛というところまで突き詰めています。

ローマ字初夏の風 には落款のあるものなど、いくつかのバージョンがあるようです。




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大沢昌助 赤と青の丸 油彩  27×22cm

画廊草創期を知る方にはおなじみの網代さん(旧姓)が訪ねてくれました。
それでこの作品も里帰りしました。今テキサスのエルパソに住んでいるそうです。
制作年は調べ次第記載します。



*川上澄生は母の死と初恋の人に婚約者のあったことでアラスカに渡り、帰国後もろもろの思いが詩情へと昇華しこの作品が生まれました。フェミニズムという言葉は正しくないかもしれません。
















 
by kg142 | 2014-02-18 19:04 | アート

2010年9月11日




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川上澄生&山高登 木版画二人展 本日からオープンしました。

アクセントに木村直道の彫刻も展示してみました。



内田静馬(1906-2000)という地元出身の版画家がいました。
来年1月に川越市立美術館で全貌展が開催されます。

創作版画といってもなじみのない人も多いことかと思いますが、
今後も継承される不滅のジャンルです。

魯迅も日本留学中に創作版画の評論を書いているそうです。

今日はまた暑くなりましたが、19日まで開催しておりますので、
ぜひ御高覧下さい。











川越画廊
by kg142 | 2010-09-11 13:58 | アート

2010年6月18日







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鹿沼市立川上澄生美術館 「机の上の川上澄生」 1994年  カタログ


このカタログに「時計」の全頁が複製されています。
このカタログの中に次のような文章があります。



「時計」について

机上静物として、最も優れた作品に「時計」がある。
この「時計」は、豪華本作りの名人と言われた日本愛書会の志茂太郎さんと川上さんが数年の歳月をかけて完成した豪華な版画絵本である。
ー中略ー

「時計」の第一頁に、「予は時計を愛す。ここに時計と予が好める器物をとり合わせなどして20図を得たり。・・・」と言っておる。
この「時計」は、明治末期、大正初期のあらゆる時計を収録したもので、色んな種類の鍵巻時計、龍頭巻時計、置時計、目醒時計、柱時計が集められ、これに配するに、当時の珍しい小物の骨董が組み合され、これに川上さんの軽快な解説があり、まさに「明治大正文明開化時の全時計図鑑」として後世の方々に珍重される大版画絵本である。
私などこの本が計画されて毎年、年頒で代金を分割納入して求めたのである。
川上さんの所謂版画絵本は、有名なる「青髯」を始め実に百冊に及ぶ膨大なものがあるが、その中でも、この「時計」は、最大にして最優秀なるものとして、現在でも愛書家の垂涎の的となっている。・・・
長谷川勝三郎) (机の上の川上澄生展図録より転載)
by kg142 | 2010-06-18 17:51 | アート

2010年5月26日









今日は天気のせいか来場者少なし、そこでユーテューブへ画像をUP。
入口マットまで青で統一されております。
これで様子がわかるので、来場する必要がなくなるかもしれませんが・・






先般世田谷美術館で開催された「川上澄生展」のカタログは、完売したそうです。
その時重要な作品の一つとして、ガラスケースの中にに展示されていた
版画本「時計」です。
表紙(木版画)もきれいですが、中に20図の木版画が挿入されています。
川上澄生の最も豪華な挿絵本です。


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「昭和19年刊行に際して、栃木県特高係から、非常時にかような趣味的贅沢本の刊行まかりならぬとして呼び出されるが、たまたま特高係長が教え子で、そのとりなしで漸く刊行許可となった。」
という曰く付きのもので、市場に出ることは稀です。(限定100部外家蔵本)



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初夏の風(参考画像)

かぜとなりたや
はつなつのかぜとなりたや
かのひとのまへにはだかり
かのひとのうしろよりふく
はつなつのはつなつの
かぜとなりたや

初期の青春譜ともいうべき作品群の中の代表的作品で、生涯の代表作でもある。
棟方志功がこの作品を見て版画家を志したと言われています。
画面に文字を描きこむという手法が棟方に踏襲されていますが、
詩が絵を補完しているのか、絵が詩を補完しているのか。

棟方は木版画自体が詩であると気付いたのではないでしょうか。
川上澄生は詩人だったのです。

澄生の「初恋」は、生涯底流に流れるテーマであったとしても、
形としては、ある時期から明治初期の風俗であり南蛮船でありました。

南蛮趣味の中でランプと時計が最も多く描かれています。
この「時計」は、ものに託した詩集なのです。


この作品は近々コレクション展にて、展示いたします。
by kg142 | 2010-05-26 17:20 | アート