
菅井光 Soleil A アクリル・キャンバス 27×22cm 1993
1990年にパリのATELER80というところで出されたカタログが手元にあり、
そこに掲載された菅井光(1930-2003)の個展歴は以下のようになっている。
Galerie Zunini Paris 1968
Galerie Fossati Suisse 1981
Galerie White Avenue Osaka 1983
Yoseido Gallery Tokyo 1984
Mukai Gallery Tokyo 1984
Suzukawa Gallery Hiroshima 1984
Galerie Grey Cannes 1985
Galerie Aries Tokyo 1989
Art Dune Gaqllery Hamamatsu 1989
Kawagoe Gallery Kawagoe 1989
Galerie Etude Tokyo 1989
Kunsthndel Leeman Gallery Amsterdam 1990
これを見ると、1980年代から本格的に作品発表を始めていて、パリ在住40年のうちの後半20年間が主な活動期ということになる。
1984年に養清堂画廊とギャラリームカイで発表しているが、
この年養清堂画廊が火災になり、急遽 ギャラリームカイへ移って開催されてことが、当時大きく新聞に報道されたことを記憶している。
当画廊ではたして何度「菅井光展」を開催しているかは、調べて改めて記すこととします。
ところで、菅井光の資料を探す過程で、
1979年に佐谷画廊で開催された 「ゴーギャン木版画展」の小冊子を本棚から発見した。
この展覧会は、前日のこのブログで紹介した「TEPO]を含む
ノアノア シリーズ10点のポートフォリオをメインに展示した展覧会だった。
別の資料にこの10点のポートフォリオの価格が掲載されているが、かなり高額であったことがわかる。

菅井汲 凧B リトグラフ 1991 72×56cm ed.30
明日から
菅井汲 SUGAI KUMI と 菅井光 MITTSU 展
2015 1/29(木)-2/21(土)
木・金・土 12:00-18:00 のみOPEN
たまもの in 川越 モネから草間彌生まで 埼玉県立近代美術館の逸品大集合!
1月24日(土曜)から3月15日(日曜)まで
川越市立美術館
http://www.city.kawagoe.saitama.jp/artmuseum/
今朝 上記の展覧会を見ました。
埼玉県立美術館の逸品が勢揃いの展示です。
まず本家の県立美術館でもこのような展示はしないと思われます。 必見です。
会場を入るとまず現代美術の展示。
白髪一雄、元永定正、草間彌生・・今をときめく 億はすると思われる作品が並んでいます。
その他 瑛九、靉嘔、堂本尚郎、関根伸夫、駒井哲郎、野田哲也、池田満寿夫・・ など当方の画廊で取り扱っている作家の作品が展示されています。
会場が狭いので、奥の部屋の印象派の作品までが2段掛け、3段掛けで展示されています。
さながらハイクラスのオークションの下見会場のようです。
そのために通常の仰々しい展示よりも気楽に見られて良い面もあるかと思います。
何故か 菅井汲 の展示はなかったので
会場に展示されていたゴーギャンのTEPO と 木村直道の作品を 当方の所蔵作品からご紹介です。

ポール・ゴーギャン 大いなる夜(テポ) TEPO 木版画 1893-94(1921摺り) 20.5×35.8cm ed.100

木村直道 ロンサムカーボーイ 鉄・木 H80cm
川越画廊のホームページ
と庭園めぐり。 およそ10キロを歩く。
カンザクラ、紅梅 なども見られました。

六義園1

六義園2

小石川植物園1 カンザクラ

小石川植物園1.5

小石川植物園2

小石川植物園3

小石川植物園4

小石川植物園5

後楽園 奥に東京ドームが見える
川越画廊のホームページ

菅井汲と光展 一部展示しました。
左3点が菅井光 、 右4点が菅井汲
菅井光はアクリル画ですが、菅井汲につきましては油彩は2点のみで版画が多くなっています。
熟考せず今までになく変則的な会期を設定しましたが、木・金・土以外 火・水 でも基本的には、ご覧いただけます。ただし、火・水 は念のため確認後にご来場いただけたら幸いです。
菅井汲 SUGAI KUMI
と菅井光 MITTSU 展
2015 1/29(木)-2/21(土)
木・金・土 12:00-18:00 のみOPEN
菅井汲は、「朝昼晩同じ時刻に同じメニューの食事をとり、同じ時刻に寝て同じ時刻に起きる。・・それは、何を食べたいとか、何がおいしいとかまずいとか そういうことを考えることが煩わしいからだ。」というようなことを度々語っています。
それはすべての雑念を排除して、瞑想状態のような中で、コアな部分に集中して描く。
というようなことだったのではないでしょうか。
まさに 絵を描くためだけに集中した生活だったわけです。
晩年は、スガイのS と言われる同じ形態の絵ばかりを描いています。
もはや何を描くかという煩わしさからも解放されたわけです。
一般に初期のカリグラフィックな作品が市場での評価は高いようですが、晩年作こそが菅井の思想が反映された到達点だったとも言えるかもしれません。

北川民次 抱擁 水彩・パステル 1967 40×30.5cm
この作品は、1968年に刊行された石版画集「花と母子像」(10点セット)に収録されている「抱擁」(No,149)の原画作品である。
原画とリトグラフでは微妙に違いがあるので、写真製版によってリトグラフが作られたのでないことはわかる。
シャガールのリトグラフにソルリエ版というのがあり、これは摺師(ソルリエ)がフリーハンドで色版を作ったエスタンプである。
民次のリトは、摺師女屋勘左衛門が製版した「女屋版」とでもいうべきエスタンプではないかと思われるとしたら違っている。
原画の上にトレーシングペーパーを置いて、民次自身が各色版を制作していったのである。それはトレースした色版が残っていることで、知ることができる。
長くなりましたが、一言でいえば、
北川民次のリトグラフは原画が存在するが、すべてオリジナルリトグラフというべきものである。(エスタンプと表示された数点を除き)
ということです。
母子像は、北川民次のもっとも重要なモチーフです。

菅井汲 S 赤と黒 エッチング 1993 109×77cm ed.80
菅井汲の版画はその力強く明快な作風により若年層の支持者も多く、今後は特にその晩年作において評価が高まってゆくものと思われます。
昼食に行った中華料理店の新聞(読売?)で、ドナルドキーンの記事を読んだ。
桑原武夫の俳句論を挙げて、むしろいろいろなレベルの芸術があることが日本独自の重層的な文化を生んでいて良いことだ。というような内容だった。
菅井汲と関係ありませんが・・
決算事務も早めに進み、そろそろ今年の本格スタートというところでしょうか。
年末 複写用にミラーレスカメラを購入し、初めてアップした狛犬の写真をおほめいただいたので、
ついついむだ話を書いてしまうのを出来るだけ改め、今年は写真を多く掲載したいと思っております。
予告です

菅井光 Ville アクリル・コラージュ・キャンバス 27×22cm 1995
菅井光(1930-2003)は広島に生まれ、戦後早くに渡仏しパリで菅井汲に出会います。本名川本光子、結婚後菅井光となります。 晩年 当画廊で幾度か展覧会を開きましたが、今回初めて 菅井汲との二人展を開催いたします。
菅井汲の作品は昨今再評価の雰囲気が高まっています。会期は変則的ですが、この機会にご高覧いただけたら幸いです。
菅井汲 SUGAI KUMI
と菅井光 MITTSU 展
2015 1/29(木)-2/21(土)
木・金・土 12:00-18:00 のみOPEN
現在は 常設展示中です。